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無宗教葬(自由葬)で父を送る その1

今回も長文になります。
宗教観などに違和感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
私達が納得したうえでしておりますので、ご理解ください。


父にせん妄の症状が出て、もってあと1週間と告げられてから
母と、父が亡くなったら誰に連絡するか告別式はどこでするか
どのようにするか話すようになりました。
朝、母が起きて病室に戻っても、私もすぐ寝れはしないので
父がまだ寝ている間(睡眠薬の注射を止めても、すぐ目が覚めるわけではなく
2時間近く寝ていました)、病室の畳のとこで小声で話をしていました。

「お父さん、自分の葬式をどうしてほしいやこ~、一言もゆうとらんのよ。」と母。
私も聞いてはいませんでしたが、まだ手術をする前の検査で病院へ通っていた頃、
長い待ち時間に友人の家族葬の話を私にしてくれたことを母に伝えました。
その方が亡くなった時、連絡があって「亡くなったけれども家族葬にするから参列は
ご遠慮ください、香典もお断りします」という内容だったと。
父は他の友人達とも相談して結局、葬儀に参列せず香典も送ったりしなかったそうです。
「それまでは家族葬ゆうのもエエなぁと思うとったけど、
本人がそうゆうとったんかもしれんけど、葬式に来てくれるなゆうんは、
言われた方は寂しいで」と。
母もそのことは覚えていて父と「参列するなゆうんじゃったら、なんで亡くなったことを
ゆうてきたんじゃろ。あとから、家族葬で送ったゆう連絡でよかったのに」と
話したそうです。

家族葬にして、その時はラクだったけど後から亡くなったことを知った友人、知人が
1年くらい自宅に次々来て、これなら葬儀の時に来てもらえばよかったという
話も聞いたことがあります。

病弱な母にその応対をさせるのは厳しいので、父の携帯に入っていた友人、
元職場の同僚だった人たちには連絡しようと決めて書き出しました。
母が友人や同僚の名前を覚えていたので助かりました。


葬儀の形はどうするか。
父は次男、母は次女で守るお墓は、ありません。
私が主人の家のお墓を守っているのを見て、大変だということも思っていて、
父は葬儀の話はしなかったけど、「戒名はいらんし、お墓もいらん、
骨は散骨してくれたらエエし、法事もせんでエエ」という話はしていました。
母もその考えに賛成していました。
主人の家のお墓のまわりには無縁墓がたくさんあります。
そんなふうになるのはイヤだと。
それなら散骨して、あとは心の中で思うてくれたらエエと。
これも私や母に対する父の優しさですね。

最初、戒名は俗名にして仏式でしようかと思っていました。
でも、その後の法要はしない。
だけど夜中、眠れないまま父に付き添っていて父の病気のことをご存じない方達に
私が父の病気の経緯をお話できたら・・・と思うようになり、
そこで思いついたのが自由葬(無宗教葬)です。
ネットや雑誌などでは、よく目にするようになりましたが
実際にされる方はまだまだ少ない葬儀の形。
葬儀社によっては引き受けてくださらないところもあるそうなので、
事前に電話で確認しました。

場所は事前に自由葬ができると確認した、岡山で一番新しい場所ですることに。
これは亡くなってから連絡して、利用できるかどうかが決まるのですが
運よく、利用することができました。
父も建設中の建物を見ていて、「すげえ建物じゃのー。葬式するとことは思えん」
と言っていたので、中を見てビックリじゃったかな?


亡くなった時間からすると翌日に通夜、翌々日に告別式なのですが
付き添いで疲れているのに、そのうえバタバタと通夜、告別式となると
途中で倒れてしまうかもしれないので、
亡くなった翌々日に通夜、その翌日に告別式と1日余裕をとって行いました。
おかげで眠れなくても横になる時間ができ、助かりました。


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ここからは父が亡くなった後の打ち合わせの話になります。
大きな打ち合わせは会館スタッフと司会の方との2回。
他にも小さな打ち合わせは何回もありましたが。
母はすべて私に任せるけん~とのことで、私ひとりで打ち合わせ。
会館スタッフとは祭壇はどれ、食事はどれ・・・というお金にかかわってくる
細かい打ち合わせ。
ひとつひとつ悩みながら、ひとりで決めていくのは大変でした。
主人の母の時にも経験したのですが、あの時は私以外にも
主人や主人の妹、妹のご主人もいたので相談できましたし。
打ち合わせに3時間近くかかり終わった後は、グッタリ。
ここでグッタリしてたんじゃ先が思いやられるけど。


最近は少しづつだけど自由葬で葬儀をされる方も増えていて、
ここの葬儀社でも、今までの自由葬は仏式で使う屋根付きの祭壇の屋根を取って、
花を飾るやり方をしていたそうですが、この会館を造るにあたって
初めて自由葬用の祭壇を造ったそうです。
柱?がブラウンのシックな洋風の祭壇でした。

自由葬だと花をたくさん飾るので飾り方をどうするかでも悩みました。
花祭壇の見本写真を見てもピンとこず(有名人の葬儀で見る緑地に白い菊とかで
ウネウネと波というかヘビのようにキッチリ色分けされた祭壇(わかりますか?)
ばかりで)、ウネウネじゃなく自然な感じで色は白と青や紫を使って、
菊はあんまり使わず洋花で・・・と悩みながらも注文しまくり。
実際にできた祭壇は私の思っていたイメージに近いものだったので
嬉しかったです。

あと仏式だと白い着物(経帷子・きょうかたびら)を着せるけど、それも無し。
私が父の日にプレゼントしたジャージの上下を着せて、わらじの代わりにスニーカー、
被っていた帽子を棺に入れることに。
あと紙パックならOKということで、いつも父が好きで飲んでいた日本酒も。
ただし火葬場によって入れていいもの、いけないものがあるので
葬儀社の方に聞いてください。

焼香の代わりに献花を手配していましたが、
主人が「ワシらはエエけど年配の人は戸惑うんじゃねん?焼香することで
供養になると思えるんじゃねん?」と言ってくれたので、そうかと思いなおし
焼香に変更。焼香は仏式じゃが!というツッコミが出そうですが、
自由葬だから仏式のことでも取り入れたいものは取り入れていいので。



司会の方との打ち合わせも大変でした。
仏式なら流れがキッチリ決まっているけど、自由葬となると始まりと終わり以外の
流れを自分で決めていかないといけない。
「みなさんに私から挨拶をしたい」という思いはありましたが、他になにがしたいとか、
父はこんな曲が好きだったから流して欲しいとかもない。
司会の方も困られたと思います。
自由葬って、音楽で送るというのが基本なようです。、
父で思い浮かぶ曲は少なかったのですが、桜の季節だからこんな曲は?とか
お父さんの世代ならこんな曲は?とか、私が送りたい曲は?とかいろいろアイデアを
出してくださいました。

仏式でよくある伯父さんが読む親族代表挨拶は、
私が読む文章が挨拶になるから無しで。
ただ、その挨拶も泣いて読めないかもしれない(いや絶対読めない)ので
司会の方にも同じ文章を渡して、泣きだした時点で代わりに読んでもらうことに。
メモしてあったのを急いで入力したので、内容が変だったら直してもらおうと
読んでもらったら目を真っ赤にされて、こちらがビックリ。
こういった司会をされる方って泣かないものだと思っていたので・・・すみません。


参列される方も戸惑われたと思います。
父が亡くなったことをを親戚に連絡した時、なんのきっかけだったか
無宗教式で葬儀をするということを話したところ、その話を聞いた他の親戚から
「無宗教ゆうたら数珠は持っていってエエんか?服は喪服でエエんか?」と
聞かれました。
数珠は持ってきてもらっていいし、喪服でお願いしますと答えました。
あとからネットで見たら、自由葬は数珠を持参せずに服装も平服で、と
おっしゃる方もいらっしゃるようですね。
平服でと言われても困ると思うんですが・・・


親戚、友人、知人達への連絡も私ひとりでしましたが、
信じてもらえなくて話が長くなったり、場所の説明や住所も大きな声で
ゆっくりと言って、メモをとってもらうようにお願いしたのですが、
打ち合わせ中に確認の電話が、かかってきたり・・・と、これも大変でした。



友人が「この忙しさは悲しみを忘れて、悲しさを和らげてくれるために
あるのよって前に親戚から言われたの」と教えてくれました。
たしかに連絡や打ち合わせとかで、イッパイイッパイになって
悲しいと思ってるヒマは、なかったなぁ・・・と。



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by HW37 | 2013-04-12 11:30 | 父のこと
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